サンライズの撮影ポイントから15分ほどでエアーズロックの麓へ到着。
予定では可能ならエアーズロックの登山、登山できない場合は麓の散策(マラウォーク)という流れ。
ただ、実はここに来る前にガイドさんから「まずウルルへは登れない」という話は既に聞いていたので、散策になるのは最初から分かってた状態でした。正直登れても登らないつもりでしたし。
その辺はあとで書くとして、早速先へ進みましょー。
目次
安全上の理由で登山道は閉鎖
エアーズロックの麓までやって来ると、またその巨大さが際立ちます。
カタジュタとはまた違った印象ですねー。
ちなみに上の写真のエアーズロックの岩肌の真ん中あたりに見える白い筋が登山道。削れて色が変わってる・・・
入口には「Climb closed due to safety(安全のため閉鎖しました)」の文字が。
エアーズロックの登山は安全上、かなり登れるタイミングを限定しているそうです。そのためほとんど登れないとの事。
しかし、この時はまた別の理由で登れない状態になってました。
どんな理由か?というと・・・登山道の鎖が誰かに切断されてしまっていたから。
ここに登ってほしくない方もいるわけで、おそらくは・・・というガイドさんの話でした。
アナング族のメッセージ
登山道入り口周辺には様々な言語で書かれた立札がありました。
日本語の記載も。やはり日本人観光客も多いんでしょうね。
ちょっと分かりにくい日本語でしたが・・・
安全のためにこういう時は登れないよ、という内容ですね。
そしてこの立札には、エアーズロックの所有者でもあるアナング族のメッセージが記載されていました。
どんな内容が書いてあるのか気になってメモしたので以下に記載。
翻訳はGoogle先生で訳したものをほぼそのまま掲載してるので、訳がおかしかったり分かりにくい箇所もありますが、意味は大体通じると思います。
We, the anangu traditional owners, have this to say
我々、アナング族の伝統的な所有者は、これを言わなければならない。
uluru is sacred in our culture. it is a place of knowledge.
Under our traditional law climbing is not permitted.
ウルルは私たちの文化の中で神聖です。それは知識の場所です。
私たちの伝統的な法律では登山は許可されていません。
This is our home
ここは私たちの家です。
As custodians, we are responsible for your safety and behaviour.
Too many people do not listen to our message.
Too many people have died or been hurt causing great sadness.
We worry about you and we worry about your family.
管理者として、私たちはあなたの安全と行動に責任があります。
あまりにも多くの人々は私たちのメッセージを聞いていません。
あまりにも多くの人々が死亡したか、大きな悲しみを引き起こして傷ついています。
私たちはあなたを心配し、あなたの家族について心配しています。
Please don’t climb
登らないでください。
We invite you to walk around the base and discover a deeper understanding of this place.
私たちはあなたが麓を歩いてこの場所をより深く理解できるようになることを願っています。
Towards a new beginning
新しい始まりに向けて
For visitor safety, cultural and environmental reasons the park is working towards closing the climb permanently.
訪問者の安全、文化的、環境的理由から、公園は絶えず登山を終わらせるために取り組んでいます。
An old way of thinking?
古い考え方?
Since the 1940s Uluru has been promoted as a people to climb.
Organised tours traced the explorers’steps, planting a flag at the summit.
This act of conquering evokes strong emotions of pride, achievement and ownership.
1940年代から、ウルルは人々として登るように推進しました。
組織されたツアーは探検家の歩みを追跡し、頂に旗を植えた。
この征服の行為は、誇り、達成、所有という強い感情を呼び起こします。
Challenge your perspective
あなたの考え方に異議を唱える
Is it to continue, knowing what we know today?
Is this a place to conquer – or a place to connect with?
私たちが今日知っていることを知って、それを続けるのですか?
ここは征服する場所ですか?それともつながる場所ですか?
We invite you to open your hearts and minds to the power of this landscape and the mysterious Tjukurpa.
この風景と神秘のジュクルパ(アナング族の掟)の力にあなたの心と精神を開いてください。
This place has a story…come on a journey.
この場所には物語があります…旅に出てください。
ガイドさんからも聞いたのですが、アボリジニの方々は文化的・安全的・環境的の3つの観点からエアーズロックへの登山を望まないそうです。
文化的な観点は、ここが聖地だから。当然踏み込んでほしくないですね。
安全的な観点は、登山で亡くなる人がいるから。アボリジニの方々はウルルで人が亡くなることを悲しく思うそうです。自分たちの考え方が正しかったのか?と考えてしまうとの事。
環境的な観点は、岩が削れることと、水が汚れる事。
エアーズロックに登る人の中には、上で用を足す人がいるそうです。そんなバクテリアを含んだ水分がエアーズロック周辺の水質を悪くしてしまうとのこと。
エアーズロックの麓にはいくつも水源があり、野生動物やアボリジニの飲み水として使われます。その水源が穢される・・・これも当然望まない事です。
実はこういう話も最初から聞いていたので、もし登れたとしても登らないつもりでした。
麓の散策道、マラウォーク
というわけでふもとの散策道へ。
エアーズロックを横に見ながら歩きます。
間近でみるとマジでデカい。
看板にもマラウォークって書いてありますね。
ここには「マラ族」の生活した洞窟があるので「マラウォーク」って言うんだそうです。
そしてウルル全体の地図もありました。
マラウォークは地図で見ると左上のエリア。片道1km程度で、1時間くらいで往復できます。
近くで見ると、エアーズロックも結構浸食され、割れてる場所がありました。
しかし、カタジュタとは明らかに岩の質が違う感じですね。
カタジュタはもっと細かな岩が固まって出来たようなかんじでしたが、エアーズロックは大きな岩が所々削れてるって感じです。
岩肌にはところどころ真っ黒な筋がありました。
これは水が流れた跡だそうです。
男たちの洞窟(Kulpi Watiku)
10分ほど歩くと洞窟が見えてきました。
よく見ると岩に縦の模様がついてますね。
これは岩が90%傾いた証拠。長い年月をかけて今の状態になったのだと感じさせます。
ちなみにこの洞窟は「男たちの洞窟」なんだそうです。
ここで火をつけたりキャンプしたり、狩りの道具を作ったり。
狩りに出た仲間たちを待ったりに使った場所とのこと。
近くには少しくぼんだ洞窟というか岩陰があり、壁画が描かれてました。
こうした壁画は古いもので1000年ほど昔。
新しいものだと100年ほど前のものもあるそうです。
女性の聖地「マラプタ」
少し歩くと「聖地」のあるエリアに。
ここは「マラプタ」という女性の聖地。
ウルルには7つの聖地があるそうで、全て撮影禁止になってます。
なのでここは目で見るだけ。
ちなみにエアーズロックは北側斜面に聖地が集中しているため、撮影はできないんだそうです。
エアーズロックの写真がいつも同じ方向から撮られているのはこうした理由があるからなんですね。
台所として使われた洞窟(Kulpi Minymaku)
次に見えてきたのは「台所」として使われていた洞窟。
女性や子供たちがここで料理をしたみたい。
狩ってきた獲物や食料を調理し、仲間で分け合っていたそうです。
ここの洞窟はかなりカーブが強くて、気を付けないと頭をぶつけます(笑
そしてかなりスペース自体が広い。
この洞窟が一番大きかったかも?
ちなみにここにも壁画がありました。
そして足元には表面が削れ、平らになった場所。
ここはまな板代わりに使っていた場所らしいです。
実際触ってみたら表面はツルツルしてました。
長老たちの洞窟(Tilipi Pampa Kulpi)
次に見えてきたのは長老たちの洞窟。
たき火を囲んで何かしてるっぽいですね。
この洞窟はあんまり大きくありません。
天井が黒く吸透けて見えるのは焚火の影響でしょうか。
カンジュの滝
マラウォークで最後に見えてくるのは「カンジュの滝」
ここは貴重な水場として使われていたそうです。
近くで見ると、かなりの高さがありました。
この日は滝は流れてませんでしたが、雨が降った3時間後くらいまでは滝が出現するそうです。
なので、滝が見れたらかなりラッキーですね。
カンジュの滝を撮影するために何週間もエアーズロックリゾートに泊まるカメラマンもいるんだそうです。
ただ、この日は前日のスコールの影響もあり(笑)渓谷には水場が出現してました。
カンジュ渓谷の水はマラ族だけでなく、動物たちにとっても貴重な水場とのこと。
ここに水を求めてやってくるエミューをマラ族は狩ったそうです。
ちょっと離れた場所から見るカンジュの滝。
いやー、まさかエアーズロックで滝が見れるとは思いませんでした。
よくよく考えてみたら「大きな一枚岩」ということ意外、何も知らなかったんですよね、私。
エアーズロックがはるか昔から信仰の対象であり、生活の場でもあったんですね。
カンジュの滝を見た後は来た道を引き返し、バスまで戻ります。
次はウルルの南側の渓谷、クニヤ渓谷へ。
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